お金を使わないことを目指すのがいいことなのかどうなのか

私は大学の関係者ですが、今大学の置かれている状況はなかなかに厳しい。
少子化がどんどん進む中、定員の削減は定期昇給があって、雇用の整理ができない日本ではなかなか難しい(どんどん頭でっかちになっちゃうから)
また、一度作った組織を壊すのは、そうそうできることではない。
失敗した事業(例えばあまり人の集まらない立地に校舎を建ててしまった、など)もかんたんには是正できない。
また、事業から撤退したとしても、マイナスのイメージが着くから、大本の授業料納付金が集まらない(定員が確保できない)というリスクが伴い、判断を更に先送りにし、事態が悪くなっていく(大体理事も高齢なので、自分のいるときには撤退をしたがらない)。
こう書くと、高等教育というのは、なかなか経営が難しい業種なのかもしれない。
というか、いろいろな意味で、起死回生ができない業種といえるのかもしれません。

まだまだ私の職場は普通に給料をもらって、普通に少しくらいの残業をすれば回るくらいの状況ですが、定員割れをしている大学さんは多分新卒も雇えず、毎日馬車馬のように働いているのだと思います。
とはいえ、明日は我が身。

そんなことを思えば、とりあえず今のうちにお金をためておこうと思うのは当然のことでしょう。
これは日本経済低迷の根本的な理由の一つに加担をすることになるかもしれませんが、リスクを考えると、貯めざるを得ない。

収入は残業をすれば増えるでしょうけど、働き方改革がこうも叫ばれている時代にそんな働き方は許されることもなく、かと言って副業をするほどの時間的な余裕もない。
家事、子育ては待ってくれません。
じゃあどうするの? 支出を減らすしかないですよね。

ということで私の今のお小遣いは2万円ほどです。
といってもこの内使うのは1万5千円程度。
家計は私が管理しているため、2万円はあくまで予算としての考えで、実際には2万円をもらうというよりは、倹約をしながら生活していたらだいたい1万5千円で過ごせているという状況です。
で、これをもう少し絞ろうとすると、結構しんどい。
多分、以下のようなことをしなくてはいけなくなります。

・携帯電話のsimを最安のデータ専用にして、電話はIP電話にする
・交通費を浮かせるため、どこにでも自転車で行く(子供を連れて)
・高い料金の娯楽施設には行かない
・飲み会には行かない
・本は図書館で借りる
などなど…

まぁもうすでにこの辺のことは半分足を突っ込んで入るんですが、今よりも締め付けるとなると、多分子供の活動範囲(休日の遊び内容)にも影響を及ぼしそうで気が引ける。
自分のモチベーションとしても、収入が深刻なまでに少ないわけでないから、ついつい「別にいまのままでいいんじゃねぇの?」的な落とし所を探る自分がいる。
とは言え、一方で「ここまで削れたらやばくない?(すごくない?)」とウキウキする自分もいる。
でもそれを「一体何のために生きているんだい?」と諭そうとする自分もいる。

どうすればいいのかは、多分その時のノリで決めるのでしょうけど、多少は人付き合い(通信費、交際費)にはお金をかけないと、それはそれで老後の孤独など、別のリスクを生みそうだなぁなんてことも思うし、リスクを想定し始めたらなんだかもう全部考えるのが面倒になってきてしまう。

とりあえず65歳までの収入と積立のシュミレーションはしてみたのですが、仮に私の勤める大学が15年持つとすると、65歳まで働けたときのおよそ半分ほどのお金しかたまらない。
そしてそれは残りの人生を賄えるほどの額ではない。
(年金もあてにできないしね)
だからできれば潰れないでほしいなぁと思うけど、こればっかりはなんともわからない。
転職はあまり考えていない。というのは、今の状況はまだ悪くないから。
でも今後悪くなったとして、(例えば15年後に)転職できる仕事なんてあるのかな、と少し不安になるのは『AI時代のベーシックインカム論』を読んだから。
仕事がなくてもベーシックインカムがあればいいけど、仕事が無いけどベーシックインカムがない世の中も十分ありえるわけで。

いざとなれば、バイトで妻と2人で月10万円ずつ稼げば、まぁ不自由なく暮らせるわけだから、当面は今のシュミレーションで続けて良いのかもしれない。
でも、自分が働けなくなったら…?
その保険も必要なのかなぁ…。
と言うか、そういうときこそ人のつながりが大事な気もしてくる。
やっぱりある程度、使うべきときにはお金を使うべきなのでしょう。
でも、「使うべきとき」っていったいいつのことなのだろうか…。
そして、何に対して…?

ーーー
年金については、先日未来年表 人口減少危機論のウソ (扶桑社新書)を読んで少し安心したのですが、「しかし本当に想定する経済成長を起こせるの?」という疑問が残りました。
なかなか不安はなくなりませんね。
とはいえ、本書は将来に新しい視点を示してくれました。
一読をおすすめいたします。


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