五重塔(幸田露伴、Kindle無料本)
『五重塔(幸田露伴、Kindle無料本)』を読みました。
面白く読めました。
幸田露伴は2冊め。
■幸田露伴1867-1947(幸田露伴、筑摩書房)
本書は、雑にまとめてしまえば、「堅物どもの美談」です。
登場人物らはとても清々しい人々ではあるものの、十兵衛の仕事観には、池井戸潤作品のような仕事至上主義の感が漂っていて気になります。
表面上は時代錯誤と言えるでしょう、と言いたい。
ただし、それぞれの人々の立ち振舞には感ずるところが多いと思いました。
それぞれの章において、十兵衛、源太はもとより、上人様、お吉、清吉、などなど、個々人が自分で考えてその場で己がすべきだと思われる立ち振舞をし、それにともなう事態については己でしっかり責任を取ろうとする様子が見て取れます。
だから、たとえ個々人の言動が少し自分の感覚とは違っていても、「なるほど彼(彼女)はそう思って、そう動いたのだな」ということがわかるし、周りの登場人物らもそれをわかっているし、多分著者の幸田露伴もそこ(主体的な人間たち)をわかりやすく表現したかったんではなかろうか、と思いました。
(そういう意味でも、とても池井戸潤作品ぽい感じがします)
「恥」という尺度を道徳的に適用する日本人のいい側面が描かれているように感じました。
個人的には、上人様と源太が好きです。
読み終わったときには、無性に熱燗が飲みたくなる本でした。
30代子持ち男性サラリーマン。
【読了】モンティニーの狼男爵(佐藤亜紀著、光文社)
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- モンティニーの狼男爵 (光文社文庫)
- 光文社
- 本
読み終わった!
まさか最後はこんな落ちになるとは…
まぁ胸くそ悪い話ではないからいいけども、ミノタウロスを先に読んだせいか、肩透かしです。
見出しの大円団通りだけどさ…
まさか最後はこんな落ちになるとは…
まぁ胸くそ悪い話ではないからいいけども、ミノタウロスを先に読んだせいか、肩透かしです。
見出しの大円団通りだけどさ…
次は趣向を変えて、知的財産の本を読みます。
なんの脈絡もないのは、図書館の予約状況のせいです。
本当にスイングしなけりゃ意味がないが読みたいのだけど、まだ高いからね。
なんの脈絡もないのは、図書館の予約状況のせいです。
本当にスイングしなけりゃ意味がないが読みたいのだけど、まだ高いからね。
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- スウィングしなけりゃ意味がない
- KADOKAWA
- 2017-03-02
- 本
30代子持ち男性サラリーマン。
【読了】鏡の影(佐藤亜紀著、講談社)
佐藤亜紀さんの著書が好きで、よく読む。
この本はページ数が多く、長い時間をかけて読むことができた。
内容はよくわからないことが多いのですが、テンポというか、リズムというか、独特の文体がたまらなくが好きです。
おすすめです。
この本はページ数が多く、長い時間をかけて読むことができた。
内容はよくわからないことが多いのですが、テンポというか、リズムというか、独特の文体がたまらなくが好きです。
おすすめです。
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- 鏡の影 (講談社文庫)
- 講談社
- 本
次はモンティニーの狼男爵を読もうとすでに借りていたんだけど、これは図書館への返却が今週の土曜日なんだよね。
ちょっと読み切れないかな…
ちょっと読み切れないかな…
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- モンティニーの狼男爵
- 朝日新聞社
- 本
30代子持ち男性サラリーマン。
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