六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催されている『新北斎展』に行ってきました。
六本木ヒルズには、過去に『会田誠展:天才でごめんなさい』を見に行ったことがあるくらいなので、今回が2回め。
花の金曜日、夜18時半の六本木は多くのオフィスワーカーで溢れていました。
そして、この新北斎展はその中でも一際人の多く集まる場所だったに違いありません。
チケット買うのに30分、買って52階へ向かい、企画展を見るのにさらに20分も待つ必要がありました。
『フェルメール展』もびっくりです。
まぁ、北斎は有名な方ですし、それに東京でこのような展示が見られるのは、これが最後のようです。(詳細はこちらの下の方)
今後は島根でのみの公開になるとのこと。
地方創生的には大変よろしいことと存じます。
(その分電子データに自由にアクセスさせてほしいところですが)
フェルメール展と比べて大きく違うのは、作品の数とサイズ。
この新北斎展では、約480点もの作品が展示されており、かつサイズが小さいものが多い。
したがって、近くで見るために、行列ができてしまうわけですね。
単眼鏡も、ゆっくり見る時間もなく、殆ど鑑賞ができませんでした。
まったく美術鑑賞というのは、あとに予定を入れてはなりません。
それから、ベースとなる知識もないので、北斎がどうすごいのか?ということがよくわからず、細かい線を書く人だったんだなー、とか、作風が結構変わってるんだねー、とか、そんな薄っぺらいことしか感じられませんでした。
(ただ、全体を通じて、結構書くことそれ自体が好きだったひとなんだろうな、と感じました。というのも、結構テーマが多岐に割っているし、日常的な題材も多かったので、普段から気になるものを書いていたのだろうなぁと思いました)
自分が今回の展示で気になったのは、『しん板くミあけとう ろふゆやしんミセのづ』。
この作品の面白いのは、もうこのときには混浴ではなかったのかな?というところでもあるのですが、一番は中の女性の一人がかの有名なボッティチェリの『ヴィーナスの誕生」のような格好をしていることです。
ヴィーナスの誕生は1483年頃の作品(wikipediaより)のようなので、当該作品を知っていたのかな?という疑問もありますが、女性が胸と局部を隠しているというのが、斬新でした。
まだ江戸時代でしょう?そんな貞操の感覚あったのかな?
北斎が生きていたのは、宝暦10年9月23日〈1760年10月31日〉? - 嘉永2年4月18日〈1849年5月10日〉)(wikipediaより)のようなので、ちょうど混浴が取り締まられ始めた時期なのでしょうか?
この辺は、先日読んだ『性のタブーのない日本』をもう一度当たりたいところです。
それとも、隠しているような意図などはなかったのでしょうか…気になるところです。
あと、2階の男たちが下を見ているのは、多分覗き穴を覗いてるんじゃないかな?なんてアホなことを想像したりして、結構楽しく鑑賞できました。
全体として、展示は、本当に全然楽しめませんでしたが、wikipediaで北斎のことを読んでみると、めちゃくちゃ面白い人ですね。
ちょっと(いやかなり)変人だったようです。
それがしれただけでも良かったとしましょう。
これも出会いです。
今回の鑑賞の反省点は、以下のとおりです。
次回は対処して、鑑賞を楽しみたいと思います。
1.事前学習の不足
北斎ってどんなひと?何がすごいの?みどころは?
2.眼鏡、単眼鏡の不携帯
サイズに対する理解が乏しいが故に
3.音声ガイドを借りなかった
多分借りたほうがよかった。でも、時間もなかった。
4.時間に余裕を
落ち着いて見ないと、何も感じられない。
音声ガイドを使わないなら、集中するために耳栓をつけてもいいかもしれない。
こんなところでしょうか。
来週は上野の東京都美術館で開催されている『奇想の系譜展』に行く予定なので、ちょっと勉強をしておこうと思います。
混んでないといいけど…無理だろうなぁ。
単眼鏡は、Kenko 単眼鏡 ギャラリーEYEがほしいところです。
1万…このまえGRDⅣを買っちゃったからきついなぁ…
※こちらのサイトで紹介しています。
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