【鑑賞】起点としての80年代@静岡市美術館
(静岡市美術館HPから引用http://shizubi.jp/index.php)
https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/15497
ただ今静岡へ出張に来ておりますので、アフター5にお邪魔してきました。
静岡駅の傍にあり、とてもきれいな内装の美術館です。
働いているスタッフさんの感じもすこぶる良い。
また、ありがたいことに、80年台生まれの人は300円引きの800円で入れたことも、大変ラッキーでした。(年がバレそうですね)
さて、展示はと言えば、なかなかユニークというか、理解しがたいと言うか、「これにはどういう意図や目的があるのだろう?」という作品が多くありました。
説明では戦後の現代美術の研究に立脚する70年代までとサブカルチャーん影響を受けた90年代以降の表現の間にある80年代の美術を見つめ直す、ということが書かれておりましたが、難しい。
抽象画などについては、多分意図も目的もなく、そこには表現があるだけ、ということもあるでしょうから、上のような「?」は野暮なのかもしれません。
とはいえ、すべての作品について意味不明で何も感じなかったというわけではなく、中には「ふふふ」と思ってしまう作品がいくつもありました。
例えば、中村一美さんの『湿潤気候の樹林』は、なんとなく女性が泣いているような姿が見て取れて面白かったです。
また、杉山知子さんの『the midnight oasis』なんかは、まどか☆マギカの世界を感じさせる作品でした。
吉澤美香さんの『RO-9』という作品は、強烈な赤色と平面上に書かれた円・丸みが、とてつもない勢いを持って迫ってきます。激しさと、少しの怖さと、不安さが湧き上がってくるのを感じました。
その他、日比野克彦さんの紙で作られたジャケット『SWEAYT JACKET』は精巧に作られているのに、紙の質感が残っている感じがとても新鮮でいた。
サイズや見た目が、本当に着れそうなリアリティを持って作成されているのが面白かったです。
中でも最もオモシロイと思ったのが、森村泰昌さんと藤本由紀夫さんの作品。
森村さんはゴッホになりきる写真を取っていたり、胸像になりきる写真を取っていたりと、写真なのに、絵画風で、しかもパロディーで、そこになんとも言えないおかしみが含まれていて、画集をほしいなと思うほどでした。
(この方は大変おもしろみに富んでおられます。
森村ミュージックって本当にあるのかしら?
今度大阪に行く機会があれば、行ってみたいけど…)
また、藤本さんの作品では、特に『HERMETIC SCALE (DIAMETERE)』という、サイズの違う五枚のお皿の上に、それぞれ音をだす針金を歪ませたオルゴールユニットが置かれているという作品で、全部いっぺんに鳴らしてみると、それぞれのオルゴールの音も違うし、ゼンマイが動く影響で時々鳴る皿の音も違う。
それらがアンサンブルして起こすなんともとらえどころがない旋律がおかしかったです。
これまであまり地方の美術館なんて興味なかった(と言うか美術時代に興味がなかった)ですが、行ってみると、なかなかおもしろいですね。
ひょっとしたら、面白そうだな、と興味を持っていくからいいのかもしれませんね。
そう言えば、昨日夜食を買いに行ったセブンイレブンで『大人が行きたい美術展2019』なる雑誌が売られておりました。
1000円近くするため、少し考えてしまいます。
30代子持ち男性サラリーマン。
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